ダイエットを成功させるのが難しいということは誰もが認識している事実ですが、「なぜ難しいのか?」「どんな心理作用が起きているのか?」というところまで考えたことはないかもしれません。
「食欲があるからそれを我慢すれば辛いのは当たり前」ですし、それが大きな原因となっているのは確かです。
しかし、空腹でもないのについ食べてしまうということも多々ありますよね。
そういった時の心理としては、「現状維持バイアスが掛かっている」と考えられます。
バイアスは無意識に働いてしまう心理作用なので、外すにはちょっとした工夫が必要となるのです。
この記事では、そんな「ダイエット成功のカギとなる現状維持バイアスとその外し方」について解説していきたいと思います。
目次
現状維持バイアスとは?
現状維持バイアスとは、「変化することを恐れ現状を維持しようとする心理作用」です。
・「タバコは身体に悪いからそろそろやめなきゃな」
・「これ以上太ってしまうと外見も悪くなるし健康にも良くないからやめなきゃ」
・「YouTubeの見過ぎは目も痛くなるし肩こりや頭痛にもなるからやめなきゃな」
暮らしの中で、「良くないからやめなきゃ」と思うシチュエーションがありますよね。
この時、「まあでもタバコやめたらストレスが溜まって余計に身体に悪い」「明日からダイエットすれば大丈夫」「YouTubeから学べることもある」というように正当化して変化をしないように対応してしまうのが、現状維持バイアスが掛かっている状態です。
これは、矛盾する複数の認知を抱えた状態の時の不快感である「認知的不協和」を解消するために、どちらかを正当化してしまう心理があります。
大抵の場合は、現状維持バイアスによって、「変化しない」という選択を正当化し、この不協和を解消してしまうわけです。
現状維持バイアスとダイエット
ダイエットの場合は得に現状維持バイアスが掛かりやすい傾向にあります。
・ある程度食べないと健康に悪いから
・こんなに美味しそうな物ばかりお店に陳列されてるから仕方ない
・一般的に見ればまだ太っている部類ではない
・ストレスに甘いものが良いって言うし
・チートデイ(食べて良い日)もたまには必要
このように、ダイエットに挑戦しない理由付けがいろいろあるからです。
現状維持バイアスが掛かりやすいがゆえに、成功させるのが難しいと言えるのです。
現状維持バイアスの外し方
ダイエットを成功させるには強い精神力が必要ですが、前述した現状維持バイアスをいかに外すかが非常に重要なポイントとなります。
一番大事なのは、現状維持バイアスという心理の存在を知る(自覚する)ということです。
自覚することができれば、その心理が働く時に、「あ、これは現状維持バイアスが掛かっている」と意識することができるからです。
そして、意識ができれば必然的に「対策」も立てられるはずです。
毎日体重計に乗って記録する
まず、体重計に毎日1回は乗るような習慣を付けましょう。
現状維持バイアスを外すには、客観的に判断することがとても大事です。
毎日の体重(体脂肪なども記録しておければベスト)を記録しておくことで、「順調に痩せている」「少ししか痩せていない」「全く痩せていない」「むしろ太っている」というように客観的に自分の状況を理解することができます。
客観的な理解ができていれば、現状維持バイアスの理由付けを理論的に否定することができるはずです。
第三者に意見を聞く
自分以外の他者に意見を聞くというのも非常に効果的な方法です。
ダイエットをしていることを知っている人の方がより効果的間のしれません。
「今目の前にあるお菓子を食べていいと思う?」と聞くことで、現状維持バイアスによる理由付けを否定することができるはずです。
簡単なダイエットメニューを用意しておく
どれだけ客観的に判断しようとしても、時には現状維持に傾いてしまうこともあるでしょう。
そんな時のために、「簡単なダイエットメニュー」を用意しておくのです。
こうすることで、「たまにはダイエットしなくても大丈夫」という心理になった時に「やらない」という極端な選択ではなく、「簡単なメニュー」という妥協案に落ち着かせることができます。
ダイエットは継続することが非常に重要なので、簡単なメニューを用意しておくのは非常に効果的だと言えます。
まとめ
今回は、「ダイエット成功のカギとなる現状維持バイアスとその外し方」について解説してきました。
現状維持バイアスとは、「変化することを恐れ現状を維持しようとする心理作用」で、ダイエットを成功させるためには、この現状維持バイアスを外せるかどうかがカギとなります。
・毎日体重計に乗って記録する
・第三者に意見を聞く
・簡単なダイエットメニューを用意しておく
この3つの方法を実践することで、現状維持バイアスを外せる確率は高まります。
「どうしてもダイエットが成功できない」という人は、ぜひこれらの方法を実践してみてはいかがでしょうか?